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七つのベンチ vol.1 [怖い話し]

タイトル:七つのベンチ vol.1
(魔女のものがたり です)

登場人物:
川神 梨紗子(カワカミ リサコ) ... 魔女見習い → 魔女試験十級。頼まれると断れない性格。
秘川 新那(ヒカワ ニイナ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。不思議なものが好き。
その他 ...

本文:
 リサコたちが通う学校の近くに、ある土地があった。

 その土地の東側の半分には、いくつかの廃墟ビルがあるが、
 もう片方の西側の半分には何も無く、空き地のまま、雑草に覆われている。

 その土地に面して、遊歩道があり、
 少しずつ間隔を置いて、ベンチが七つ並んでいる。


 その遊歩道を リサコと秘川 新那の二人が、それぞれジュースの入ったペットボトルを片手に持って歩いてきた。

秘川 新那「あ、ちょっと、そのベンチで休んでいこう」

 秘川 新那は、そう言って、近くのベンチに腰かけた。

 それから、
「あ、そう言えば、そこの土地には、こんな噂話があるんだよ……」
 と言った。

 その土地には、"この土地、売ります"と書かれた看板が立っている。

 リサコが、秘川 新那の隣に座り、ペットボトルのキャップを開けながら、
「へー。どんな?」
 と聞く。

秘川 新那「うん……、それはね……」

 秘川 新那も、ペットボトルのキャップを開け、ジュースを一口飲んでから、その土地にまつわる噂話を始めた。



-- 秘川 新那 の噂話、始まり --

秘川 新那「昔、ある男の人が、その土地の南側に面して続く道を散歩しながら歩いていた。

 その男の人は、足に少し疲れを感じたので、歩くのを止め、近くのベンチに腰をおろした。

 ちょうど、その男の人の目の前に、
 その土地を売りたいという趣旨のことが書かれた看板が立てられていた。

 その男の人は、目の前に広がる土地を見ながら、
「こんな土地が、自分のものになったらな……」
 とつぶやいた。

 その後、その男の人は、静かに目を閉じた。

 その日は、とても天気の良い日だった。

 その男の人は、ベンチに座って、目を閉じているうちに、うつらうつらしてきて、いつの間にか眠ってしまった。


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 すると、夢の中に綺麗な着物を着た女の人が現れて、その男の人に、こんなことを言った。

綺麗な着物を着た女の人「もし、あなたが、私との約束を守ってくれるなら、この土地をあなたのものにしてあげましょう」

その男の人「土地? 私には、土地を買うお金なんてありません」

 その男の人は、その女の人が土地を売ろうとしているのかと思った。

綺麗な着物を着た女の人「そんな心配は、いりません。
 もし、約束を守ってくれるなら、その金もそろうようにしてあげましょう」

 その男の人は、
(おもしろいことを言う女の人だな)
 と思って、とりあえず、話だけは聞いてみることにした。

綺麗な着物を着た女の人「この土地を手に入れた後、
 土地の東側半分は自由に使ってかまいませんが、
 残りの西側半分には、何も手をつけずにいてほしいのです。

 もし、この約束を守ってくれるなら、この土地があなたのものになるようにしてあげましょう。

 そして、その後、あなたの家が栄えるようにも、してあげましょう」

 その男の人は、突然、そんな話をされて、どう答えたらいいのか分からず、少しの間、黙ってその女の人を見ていた。

 その時、その女の人の後ろから、この世のものとは思えない小さな妖怪のような生き物が出てきて、その女の人の近くをうろうろ歩きだした。

 その男の人は、それを見て驚いたと同時に、
 ”今見ているものが、現実ではない”ということに気づいた。

 その男の人は、
(現実ではないのなら、気楽に返事をしてもかまわないだろう)
 と考え、
「分かった。約束する」
 とその女の人に言った。

 その綺麗な着物を着た女の人は、とてもうれしそうな顔をして、
「約束ですよ……」
 と、確かめるようにその男の人に言ってから、すーっと消えていった。

 そこで、その男の人は、目を覚ました。

つづく

あとがき:
 読んでいただき、ありがとうございます。
 この物語は、フィクションです。

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