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七つのベンチ vol.2 [怖い話し]

タイトル:七つのベンチ vol.2
(魔女のものがたり です)

登場人物:
川神 梨紗子(カワカミ リサコ) ... 魔女見習い → 魔女試験十級。頼まれると断れない性格。
秘川 新那(ヒカワ ニイナ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。不思議なものが好き。
その他 ...

 これは、『七つのベンチ vol.1』のつづきです。

本文:


 不思議なことに、その後、その男の人のところには、どんどんお金が集まってくるようになった。

 そして、その男の人が、その夢を見てから、半年もしないうちに、その土地を買ってしまった。

その男の人「本当に買えた……」

 その土地を買った後、その男の人は、綺麗な着物を着た女の人が、夢の中で言っていたことを思い出した。

 その男の人は、その綺麗な着物を着た女の人に言われたことを守り、
 土地の東側半分には建物を建てたが、
 残りの西側半分には、何も手をつけないで、そのままにしておいた。

 その後、その男の人は、何をやってもうまくいくようになった。

 そして、とても幸せな一生を送った。


 その男の人には、娘が一人だけいた。

 その男の人が死んだ後、その男の人の財産は、すべてその娘のものになった。

 その男の人の娘の代になると、娘は、
 父親から、綺麗な着物を着た女の人の話を聞いていたにもかかわらず、
 そこに、自分たち家族が住むための大きくて、立派な屋敷を建ててしまった。


 そこで リサコが、口をはさむ。

リサコ「屋敷?
 屋敷なんて無いよ……」

 リサコが、その土地の西側を見ながら言う。

秘川 新那「うん。今は、ね……」

 西側の土地は、空き地になっていて、草が伸び放題に伸びている。

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秘川 新那「娘が、その屋敷を建てて、その家族が、その家に住むようになってから……、その屋敷では不思議なことが起こるようになった」

リサコ「不思議なこと?」

秘川 新那「うん。昼夜問わず、その屋敷の中に幽霊が何体も現れて、
 その幽霊たちがみんな、同じ方向に向かって歩くようになったんだって」

リサコ「えっ、幽霊が……? 同じ方向に……?」

秘川 新那「そう。つまり、その場所にはもともと霊たちが通る霊道があったんだけど、
 その娘は、綺麗な着物を着た女の人の言葉を無視して、その霊道の上に屋敷を建ててしまったというわけ。

 だから、その屋敷の人たちは、
 綺麗な新しい屋敷を建てたのに、
 まったくその屋敷での生活を楽しむことができなくて、いつも静かにしていなくてはならなくなった。

 でも、ある時、その娘が、そんな生活に我慢できなくなって、
 幽霊たちの行列に向かって文句を言ってしまった。

その娘「あんたたち! とっとと、この屋敷から出ていきなさい!」

 すると、その娘の前に、綺麗な着物を着た女の人が現れて、
「約束を破ったのは、おまえの方ではないか!」
 と、とてもこわい顔で言って、その後、すーっと、消えていってしまった。


 それから、その娘は、やることなすこと、すべてが、うまくいかなくなって、
 父親がのこしてくれたお金を全部使い切り、
 その土地を手放さなければならなくなった。

 次にその土地を買った人のところに、その綺麗な着物を着た女の人が出てきたのかどうかは分からないけれど……。

 今は、ごらんの通り。

 この土地の西側にあった屋敷は取り壊されて、今は、跡形もない……」

-- 秘川 新那 の噂話、終わり --


リサコ「ふーん……」

 二人は、座っていたベンチから腰を上げると、再び歩きだした。

 少し歩いたところで、リサコは、振り向き、
 その土地の西側の方を見ながら、
 不思議なものが見えるようになる呪文を口の中でもごもごと唱えた。

 すると、綺麗な着物を着た女の人が現れて、
 リサコの耳元で、
「もし、あなたが、私との約束を守ってくれるなら……」
 と言った。

あとがき:
 読んでいただき、ありがとうございます。
 この物語は、フィクションです。

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