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皿と城 [少しふしぎな話し]

タイトル:皿と城
(魔女のものがたり です)

登場人物:
川神 梨紗子(カワカミ リサコ) ... 魔女見習い → 魔女試験十級。頼まれると断れない性格。
開武 千景(カイブ チカゲ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。不思議なものは、あまり信じていない。
秘川 新那(ヒカワ ニイナ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。不思議なものが好き。
早川 優理香(ハヤカワ ユリカ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。ピアノ部。
その他 ...

本文:
 ある日、リサコ宛に、小さな荷物が届いた。

 リサコが、その包みを開けると、箱に入ったきれいな白い皿が出てきた。

 それは、あるお菓子の箱についているマークを数枚集めて送ると皿がもらえるキャンペーンに、数週間前、リサコが、応募して当たったものだった。

 リサコは、なんとなく、すぐにそれを使う気にはなれなかったので、
 中身を確認した後、机の下に、それをしまった。


 その夜、リサコは、皿を割って困っている男の人の夢を見て目が覚めた。


 その男の人は、まるで明日死ぬ人のような顔をしていた。

リサコ「何だろ。すごく思いつめた顔をしていたけど……」


 翌日、リサコは、いつもの三人と美術館に行く約束をしていた。

 リサコは、おしゃれをして、約束の時間に間に合うように家を出た。


 美術館 -- 。

 四人は、順路に従って歩きながら、展示品を順番に見ていく。

 秘川 新那が、ある本の展示品の前で足を止め、その本の説明を始めた。

秘川 新那「これはね……。

 昔、ある王様が、お城に、大切なお客さんたちを招いて宴を開いたんだけど。

 その時、その王様は、信用していた家来の一人に、その宴の進行役をまかせた。

 だけど、その家来が手をすべらせて、皿を割ってしまい、お客さんに出す皿が一枚足りなくなっちゃった。

 その王様は、大切なお客さんたちの前で恥をかいたと言ってとても怒って、その家来を城の中のある場所に閉じこめてしまった。

 結局、その家来は、そこで死んでしまったんだけど。

 これは、その時のことを記した本なんだって……」

リサコ「お気の毒に……」

 その本は、あるページが開いた状態で展示されていた。

 そして、そのページの端には男の人の絵が描かれた挿し絵が入っている。

 リサコは、その挿し絵に目を落とす。

 リサコは、そこに描かれている男の人の顔を見て、
 ふと、昨夜夢の中で見た男の人の顔を思い出した。

リサコ(どことなく、昨夜夢で見た男の人に似ている……)


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 四人は、人の流れに押されながら、次の展示品の前に歩いていく。

 そこには、その家来が大切にしていた宝の玉が展示されていた。

 家来と言っても、位の高い人だったので、その家来の男の人が持っていたその玉は、
その当時は、大変価値のあるものだった。

 リサコは、その玉をぼんやり見ながら、その前に見た本のことと、昨夜、夢に出てきた男の人のことを考えていた。

リサコ(お皿が足りなくて罰せられたかわいそうな男の人のために、家にあるお皿を持っていってあげようかな……。

 そうすれば、もしかしたら、罰せられないですむかもしれないし……)


 リサコは、魔法で時間を止め、自分の家に戻ると、
 昨日届いた皿を持って、その時代のその場所に行った。

 リサコが、その本の中の世界に入ると、
 ちょうど宴の進行役をまかされたその家来が、皿を割り、困って、おろおろしているところだった。

 リサコは、持ってきた皿を魔法で、そこにある皿と同じ形、同じ絵柄に変えた。

 その後、リサコは、それをその家来の男の人に渡し、リサコが、そこに来たわけを簡単に説明した。

男の人「なんだかよく分からないが、皿を持ってきてくれたことには、感謝する」

 実際、その家来の男の人は、リサコの言ったその”わけ”をあまりよく理解できていなかった。

 しかし、皿が必要な数だけそろったので、とてもよろこび、
 その男の人が持っていた宝の玉をリサコにくれた。

 リサコは、
「そういうものは、受け取れません」
 と言ったが、

 男の人は、
「いいから持っていってください」
 と言って、リサコに、それを渡した。


 リサコは、それを持って、元の時代の元の場所に戻っていった。

リサコ「何だかよく分からないけど、もらっちゃった」

 リサコは、魔法で止めていた時間を元に戻す。


 時間が元に戻ると、すぐに、
 その展示品の前にいた人たちが、あるものが無くなったと言って、騒ぎだした。

リサコ「どうしたの?」

 リサコが、自分の前に立っている開武 千景に聞く。

開武 千景「ここに展示されていた玉が、突然無くなっちゃったんだよ」

リサコ「え!?」

 リサコは、自分が持っている玉を見る。

リサコ(これって、ここに展示されてた宝の玉じゃない?)

 リサコは、あわてて、時間を止め、
 その玉をあるべき場所に戻して、また時間を動かした。


秘川 新那「あれ? 無くなったはずの宝の玉がある……。でも、なんだか、少し新しくなったように見えるけど……?」

早川 優理香「不思議ですね」

 そこにいた他の人たちも、不思議そうな顔をしていた。

あとがき:
 読んでいただき、ありがとうございます。
 この物語は、フィクションです。

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