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ホテルとドア vol.1 [怖い話し]

タイトル:ホテルとドア vol.1
(魔女のものがたり です)

登場人物:
川神 梨紗子(カワカミ リサコ) ... 魔女見習い → 魔女試験十級。頼まれると断れない性格。
開武 千景(カイブ チカゲ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。
秘川 新那(ヒカワ ニイナ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。不思議なものが好き。
早川 優理香(ハヤカワ ユリカ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。ピアノ部。お嬢様。
その他 ...

本文:
 その日、四人は、K県にあるホテルの中の一室にいた。

 きっかけは、秘川 新那が、たまたま、霊が出るというそのホテルの情報をインターネットで見つけたことだった。

 その後、秘川 新那が、
「このホテルに泊まってみたい」
 と言いだし、

 さらに、秘川 新那が、
「一人じゃつまらないから、みんなも一緒に行こうよ」
 と言ったので、
 他の三人も、それにつきあい、そこに泊まることになった……というわけだ。


 秘川 新那は、部屋の照明を落とすと、声をひそめ、インターネットで調べてきたそのホテルの噂話を始めた。

秘川 新那「何年か前、ある小説家が、このホテルの50X号室で小説を書いていたんだって……」

 ちなみに、彼女たちが今いる部屋は、その50X号室の隣の部屋だ。

 一番霊が出るという噂なのが、50X号室なので、
 秘川 新那は、部屋を予約する時に、
「ぜひ、50X号室に泊まらせてください」
 とホテルの人に頼んだのだが、
「その部屋は、現在、客室として使われていません」
 と断られてしまった。

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秘川 新那「その小説家は、お気に入りの万年筆を持っていて、小説を書く時はいつもその万年筆で書いていたんだけど……。

 ある時、その小説家が、ホテルの従業員を部屋に呼んで、

『ちょっと出かけてくるから、その間に部屋のかたづけをしておいてほしい。

 だが、絶対に、私の机の上のものには、さわらないように』

 と言ったんだって。

 その小説家が言う部屋のかたづけというのは、机のそばの小さなゴミ箱の中にたまったゴミを持っていくことで、ホテルの従業員がいつもやっていたことなんだけど。

 そのホテルの従業員は、
 その小説家が部屋から出ていった後で、
 ゴミ箱の中のゴミをゴミ用のビニール袋に入れていて、
 その時に、机の上の万年筆を床に落としてしまった。

 そのホテルの従業員は、すぐに床にしゃがんで、それを探したんだけど、
 どういうわけかそれが見つからない。

 その後、部屋の中をあちこちを探したんだけど、それでも、その万年筆を見つけることができなかった。

 その小説家が部屋に戻ってきた後で、そのホテルの従業員は、万年筆を無くしてしまったことを正直に言って、謝った。

 その小説家は、特にそのホテルの従業員を責めることもせず、
『ああ、分かった』
 とだけ言った。

 お気に入りのその万年筆を無くしてしまったせいかどうかは分からないけれど、
 その小説家は、その後、まったく小説を書くことができなくなって、それを苦に自殺してしまった。

 そして、それを伝え聞いたそのホテルの従業員も、また、責任を感じて、その後、自殺してしまった……。

 それから、午後○時○分になると、50X号室と同じフロアの部屋のドアを誰かが叩く音がするようになったんだって……」

開武 千景「その午後○時○分って何なの?」

秘川 新那「その従業員が、その小説家の部屋に行った時間だって」

開武 千景「ふーん。そうなんだ……」

 その時、コンコツンッ! とドアの方から音が聞こえてきた。

 四人は、顔を見合わせる。

つづく

あとがき:
 読んでいただき、ありがとうございます。
 この物語は、フィクションです。

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