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ホテルとドア vol.2 [怖い話し]

タイトルホテルとドア vol.2
(魔女のものがたり です)

登場人物:
川神 梨紗子(カワカミ リサコ) ... 魔女見習い → 魔女試験十級。頼まれると断れない性格。
開武 千景(カイブ チカゲ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。
秘川 新那(ヒカワ ニイナ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。不思議なものが好き。
早川 優理香(ハヤカワ ユリカ) ... 川神 梨紗子のクラスメイト。ピアノ部。お嬢様。
その他 ...

 これは、『ホテルとドア vol.1』のつづきです。

本文:
早川 優理香「ノックされたドアを開けるとどうなるんですか?」

 早川 優理香が、秘川 新那に聞いた。

秘川 新那「幽霊になったそのホテルの従業員が立っていて、『万年筆は、どこですか?』って聞くんだって……」

開武 千景「そっ……、そんなことありえないって」

 開武 千景は、そう言って、ドアの方に歩いていき、勢いよくドアを開けた。

 すると、ドアが開くと同時に、彼女のすぐ目の前に、眠たそうな顔をした男性が現れて、おかしな声を出した。

男性「んあ?」

開武 千景「ひゃっ!」

 開武 千景は、変な顔をして、悲鳴をあげた。

 それを見て、その男性は愉快そうに笑った。

 それから、ルームナンバーを見て、
「あっ、部屋を間違えた。すまん、すまん」
 と言って、また笑い、歩いていってしまった。

開武 千景「なっ、何なんだあの男の人は……」

 開武 千景は、そう言ってドアを閉める。

秘川 新那「あっ、言い忘れてたけど、そのホテルの従業員というのは女の人なんだよ」

開武 千景「それを早く言ってよ」

 開武 千景は、顔を真っ赤にして言った。

早川 優理香「時間も、○時○分には、まだ早いですし……」

 早川 優理香が、笑っている口を手で隠しながら言った。

リサコ「……」

 リサコは、部屋の時計をちらっと見る。

 午後○時○分まで、まだ数時間あった。


 その後、四人は、温泉に入り、夕飯をすませ、雑談をしていた。

 すると、また、トントンッ! と彼女たちの部屋のドアをノックする音が聞こえてきた。

 四人は、ドキッとして、そのドアを見る。

 早川 優理香が、部屋の時計を見ると、時計の針は午後○時○分を指していた。

 死んだ魚のような目で、早川 優理香が言う。

早川 優理香「ちょうど、○時○分です……」

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開武 千景「だ、誰か開けてみなよ……」

 開武 千景が、少しひきつった顔で言った。

秘川 新那「私が、開けようか?」

 秘川 新那が、そんな開武 千景の様子を楽し気に見ながら、立ち上がりかける。

リサコ「いいよ。私が、開ける」

 リサコが、秘川 新那より先に、すっくと立ち上がり、ドアの方に歩いていって、ドアを開けた。

 すると、そこには髪の長い女の人が立っていて、もの悲しそうな表情で、
「万年筆は、どこですか?」
 とリサコに聞いた。

リサコ「……」

 リサコは、その女の人に、少し微笑んでから目を閉じ、呪文を唱え、魔法でそれを探し始めた。

 そして、それがどこにあるのかが分かると、目を開け、その場所をその女の人に告げた。

 その万年筆は、思いもよらないところにあった。

 女の人が、それをそこに取りにいこうとしたので、
 リサコは、それを止め、魔法で、その万年筆をそこから取り出して、その女の人にそれを渡した。

 女の人は、リサコの前からふっと消えて、瞬間的に50X号室に移動し、机の上にそれを置くと、またリサコの前に戻ってきた。

 女の人は、リサコに頭を下げると、闇の中にふわっと溶けていくように消えていった。

 なかなか戻ってこないリサコを不思議に思った開武 千景が、リサコのいる方に歩いてきて、リサコに聞く。

開武 千景「誰だったの?」

リサコ「ん? 誰もいなかったよ。風の音だったんじゃないかな?」

 リサコは、いつもと変わらない声の調子でそう言った後、静かに部屋のドアを閉める。

 そして、魔法で廊下の窓を少しだけ開けた。

開武 千景「風の音? 窓なんて……」

 開武 千景は、ドアを開け、廊下の窓の方を見て、それが開いているのを見て納得する。

開武 千景「あ……、開いてるね……」


 翌日、四人は、そのホテルを出て家に帰っていった。


 四人が、ホテルから出ていったそのすぐ後 -- 。

 昨日、部屋を間違えてリサコたちの部屋のドアを叩いた男性が、ふわふわ浮かびながら50X号室の前までやってきた。

 男性は、ドアをすり抜け、50X号室の中に入っていくと、机の上に置かれた自分の万年筆を手に取り、また小説を書き始めた。

あとがき:
 読んでいただき、ありがとうございます。
 この物語は、フィクションです。

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